基本的な考え方
近年、顕在化が進む気候変動を起因とする自然災害の増加、失火や情報セキュリティインシデントの発生、新型コロナウイルスに代表されるパンデミックの発生など、人々の生活が脅かされ、企業の事業運営やサプライチェーンにも大きな影響を与える事象が多発しています。当社は、これらのリスクへの対応をこれまで以上に重要であると捉え、多様化するリスクを包括的・継続的に管理します。また、リスクが顕在化した場合の損失を回避・最小化するための対策を準備し、リスクマネジメントを推進しています。
リスクマネジメント体制
当社グループは、2023年7月に、グループ全体のリスクを一元的に管理することを目的として、新たにリスク管理規定を制定し、社長を委員長とする「リスク管理委員会」を立ち上げました。
本委員会は、執行役員および理事で構成されます。本委員会では、リスク管理活動(特定・分析・評価・対応等)を統括するほか、グループ全体のリスク管理に関する方針を策定し、実効的かつ持続的な組織・仕組みの構築と運用を目指すことにより、リスク管理体制の強化に努めます。
本委員会はサステナビリティ推進委員会のワーキンググループを分離・強化するかたちで立ち上げられ、本委員会の活動で特定されたサステナビリティに関わるリスクはサステナビリティ推進委員会と連携して対応に取り組みます。
BCPの取り組み
災害に対する事前対策
大規模災害が発生した際の当社グループ事業の早期復旧と継続を図るため、初動から復旧までの具体的な活動を定めた「アクションシート」を策定し、すべての拠点に備蓄品の配備を完了しています。また、各拠点で大地震や火災などを想定した訓練を毎年実施しています。2023年度は主要拠点を対象に、初動にフォーカスしたBCPワークショップを開催しました。ワークショップでの気づきは「アクションシート」「BCPマニュアル」に反映し、PDCAサイクルを回しています。今後同様の取り組みを各拠点で進め、より実効性を高めていきます。
海外駐在員・出張者の安全管理
当社では海外現地法人に多くの社員を海外駐在員として派遣しています。それぞれの国での生活や業務には文 化や言語の違い、治安の問題、自然災害など、さまざまなリスクが伴います。これらのリスクに対処し、駐在員や 出張者の安全を確保することは、当社にとって重要な課題と考えています。駐在員が派遣先の国や地域の文化、法 律、治安状況を十分に理解できるよう、事前研修を行うことや、現地におけるサポート体制の強化、定期的な治安 情報の提供、家族が安心して生活できるためのサポートなどの対応策を進めています。
災害や荒天時の安全管理
近年、台風や突発的な大雨による洪水などの自然災害はより大規模化しています。また、日本各地域での大規模 な地震発生の可能性も高まりを見せています。このような状況のなか、当社グループでは災害発生時の従業員の安 全確保を重要な課題と捉え、災害発生時の運行基準の明確化や、従業員やその家族の安全確保のための研修会や 勉強会の実施を進め、リスクを低減する対策を進めています。
情報セキュリティリスクの管理
情報セキュリティ基本方針の制定
当社グループは、お客様に安全・安心な物流サービスを提供するため、お客様および当社グループの情報資産を適切に管理することが重要課題の一つであると考えており、管理担当役員のもと、各拠点に情報管理責任者をおき、情報管理の徹底に努めています。さらなる取り組み強化のため、2023年6月に「情報セキュリティ基本方針」を制定、情報セキュリティ強化施策の展開および従業員の教育などを行い、セキュリティレベルの維持・向上に努めています。
アルプス物流 情報セキュリティ基本方針
1. 情報セキュリティへの取り組み
当社は情報セキュリティの取り組みを、経営ならびに事業における重要課題の一つと認識し、情報管理規程を定め、組織的に情報セキュリティを推進できる体制を構築し、情報資産の適切な管理に取り組みます。
2. 情報資産の管理
当社は保有する情報資産に対する漏洩、不正アクセス、改ざん等を防止し、情報の機密性、完全性、可用性を維持するための適切な対策を講じます。
3. 教育、自己啓発
当社は適切な情報管理の啓発を目的として、役員および従業員等に対して情報セキュリティに関する周知・教育を実施し、情報セキュリティリテラシーの向上を図ります。
4. 事故発生予防と対応
当社は情報セキュリティに関する事件・事故の発生予防に努めるとともに、万一発生した場合はその原因を迅速に究明し、その被害を最小限に止めるとともに再発防止に努めます。
5. 法令等の遵守
当社は情報管理の基準・規定の策定および情報資産の利用にあたり、当社の事業活動に適用される各種法令および社会的規範を遵守します。
対策の強化
標的型攻撃をはじめとする外部からの脅威、内部不正による情報漏洩の抑止に対応するため、情報セキュリティの施策を強化しています。
〈主な施策〉
- 社内ITインフラに対する不正侵入防止・被害拡大防止対策の実施
- 標的型攻撃メールへの訓練継続実施
- 社内情報セキュリティポリシーの見直し
- 情報セキュリティ教育研修の継続